今日のタイトルはちょっと穏便ではない様子ですが、お着物が由来となっている表現についてです。
袂を分かつ人間関係が解消されること
たもとを別つ・別の道を進む・決裂する・決別する・袂を分かつ・絶交する・関係を絶つ・絶縁する・縁を切る・勘当する・縁が切れる・関係がなくなる・関係が無くなる・繋がりが切れる・繋がりがなくなる・関係が薄れる・関係性が薄くなる・つながりを切る・繋がりを断つ・関係を切る・手を切る・関係を無くす・関わりを無くす・係わり合いを無くす・係わり合いがなくなる・別々の道を行く・別々の道を歩む・別れる・それぞれの道を行く・破局が訪れる・別れが訪れる・破局する・仲違いする・離縁する(weblio類語辞典より)
「袂(たもと」は着物の袖の袋状になって垂れ下がっている部分のことで、「手(た)」「本(もと)」と書くこともでき、側とか傍らという意味があります。この袂には魂が宿ると言われており、意中の殿方がいたら袖を振って思いを表していたそう。ちなみに、「袖を振る = 愛情を示す」という意味です。
未婚女性の袂は長いのですが、袖を振って思いが通じた時には、もう袖を振る必要がなくなったので、短くしてお嫁に行きました。お嫁に行けば親とは別れることになるので、そこから転じて、強いつながりがあった関係を断つ、という意味で「袂を分かつ」と表現されるようになりました。袂をバッサリ切る、という行為と、関係をスッパリ断つ、のイメージがぴったりなので、うまいこと言うなぁ、と感心しました。
また、現代では未婚既婚の区別というより、若い女性の礼装としてのお着物を指すようになった、袂が長いお着物「振袖」ですが、これまた何ていいネーミングなんだろう、と思います。何でだろう?と疑問を持って辿っていくと、必ず由来や語源があるので、日本語って面白いな、と思います。
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