前回のブログ「声を聴く」で紹介した彫刻家、イサム・ノグチについて(いよいよ)ブログを書いていきたいと思います。
文化・芸術、ものづくりをはじめとして、日々思うことや旅行日記など、書きたいことがたくさんあるのですが、中でもイサム・ノグチに関しては未だ勉強中&堪能中ということもあり、いつか書こうかなと思っていたのですが、どうやらその時が来たよう。
というのも、東京オペラシティで「イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ ─」が開催中なのです。彼の没後30年、そして日本国内では12年ぶりの回顧展ということで去年から楽しみにしてた展示が始まり、先日行って来ました。これは文章にした方がいいかな、と思って何回になるかわかりませんが、おもうことを綴っていきたいと思います。
まずは、プロフィールを簡単にご紹介。
1904年 ロサンゼルス生まれ - 1988年 ニューヨーク没英文学者で詩人の野口米次郎と、作家レオニー・ギルモアとの間に生まれ、少年期は日本で育つ。渡米した後、彫刻家 を志し、アジア・ヨーロッパを旅して見聞を広めた。パリでは彫刻家ブランクーシの助手をつとめる。ニューヨークに居を定め、肖像彫刻、舞台美術をへて環境彫刻やランドスケープ・デザインにまで幅広い活動を開始する。戦後は日本でも陶器作品や、和紙を使った「あかり」のデザインなどを行う。また丹下健三、猪熊弦一郎、勅使河原蒼風、北大路魯山人、岡本太郎など当時の前衛芸術家たちと交流して刺激を与えあう。その後、アメリカ国内外の各地で、彫刻、モニュメント、環境設計を続け、文字通り「地球を彫刻した男」と呼ばれる。
彫刻家ですが、舞台美術やドローイング、環境彫刻、公園、ランドスケープ、インテリアデザインなど表現は多岐に渡り、その作品も世界中の色々な場所にある、地球を舞台にした芸術家です。
名前は何となく聞いたことがあるくらいだったのですが、彼の作品を見たのは10年前にニューヨークに住んでいたときのこと。美術館やギャラリーが好きでよく行っていたのと、デザイン学校の課題で、実在する組織や機関、団体などを選んでブランディングしなさい、という内容に対して、どこにしようか探していた時に、「ノグチ・ミュージアム」を訪れたことがきっかけでした。その場所も(元は彼のアトリエだった場所)作品も立ち所に魅了されてしまったのです。
喧騒を離れた静かな場所にミュージアムはあって、緑と石とで整えられた庭園と、開放的な空間に置かれた作品群。静かな空間でニューヨークにいるとは思えないような素敵な場所です。
そして、彫刻作品というと何だかよく分からない塊だなと、それまでよく見ずに避けていた部分もあったのですが、彼の作品は天然石や大理石などの鉱物が多いにも関わらず、とても優しく柔らかい印象があるのです。また、ずっと見ていたくなるような奥深さと神秘性もあったりして。彫刻作品は360度楽しめるので、角度によって表情が変わるのも虜にさせる一因じゃないかな?なんて思います。
それから、お父さんが日本人ということ、日本に来てインスピレーションを受けたことが伺えるような、私にとってはどこか親しみがある部分も好きな理由のひとつだと思います。
今日は簡単なイントロダクションでした。
写真はニューヨークのザ・ノグチ・ミュージアムです。(2007年撮影)
イサム・ノグチの回顧展『彫刻から身体・庭へ』 展示会特設ウェブサイト |
※今日のメイン画像は、アメリカカリフォルニア州の慈善家Henry T. Segerstromと一緒に写ったイサムさん
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