通訳さん

今日は、これまで印象に残った通訳さんお二人についてです。

BS1では各国のニュース番組でのトップニュースを通訳を入れて放送していて、シンガポールCNA、韓国KBS、中国CCTV、上海東方衛視、香港TVB、タイMCOT、ベトナムVTV、フィリピンABS-CBN、イギリスBBC、ドイツZDF、オーストラリアABC、ロシアTV、インドNDTV、フランスF2、カタールアルジャジーラ、アメリカブルームバーグ、ブラジルバンデランデス、アメリカABC、スペインTVE、アメリカPBSなどのニュースを扱っています。

その中から、お一人目は、韓国KBSや朝鮮中央テレビなどを担当している、リン・ヘイシュウさん。

私はこのBS1の各国ニュースは、映像を見るというよりラジオ代わりになっていて、音声だけを聞いている方が多いのですが、リン・ヘイシュウさんが担当した番組は画面も見てしまうのです。というのも、ニュース番組の通訳さんは中立的で感情を出さずに、違う言語をニュートラルに日本語に変換して伝えてくれる方が多いのですが、リンさんは演技派で抑揚が大きくてドラマチックなのです。

特に、誰かのセリフ(例えば、大統領の発言など)の場合は顕著で、あたかもその人になりきったかのように通訳してくれるので、寸劇のように聞こえます。画面をみた時には、そこに映っているのはニュース映像の要人なので、映画の吹き替え版を見ているような気分にもなります。2人登場人物がいたら、声や喋り方も使い分けてくれるので、ちょっとしたリンさん劇場が楽しめます。

でもよく考えたら、もとのニュースに笑いの要素がある場合に、ニュートラルに通訳してもらっても、もとのユーモアなり笑いが伝わらなかったらよい通訳とは言えないんじゃ?と、リンさんをきっかけに思いました。それまではこんなエンタメ性が高い通訳を聞いたことがなかったので、要注目という意味でリンさんが印象に残っています。
※リンさんが気になる方はこちらから(さすがニコ動 笑)

そして、もう一人は私の固定概念を覆してくれた人との出会いです。

友人の結婚式に出席するために着物を着て行こうと思って、古典柄を扱う着物屋さんに行った時のことです。たまたまそのお店に来ていた常連さんと少しお話しする機会があり、お仕事は何をされているんですか?と聞いた所、通訳をしているんですよ、と教えてくれました。何語だろう?と思って何気なく聞いたところ、その方は聴覚障害者の方の通訳さんでした。つまり、手話を使って外出時の買い物や食事などのサポートをしているお仕事をされている方だったのです。

お会いした場所が着物屋さんで、着付けもしているところだったので、そのお店の方と一緒に、聴覚障害のある方のために着付けをして、その後に散歩をしたりお茶をしたり、というお手伝いをしていることも教えてくれました。

この方との出会いにより、通訳とは、異なる言語間でそれぞれの言語に変換して伝えること、というそれまでの固定概念が一気に覆されました。手話、それから点字という言語にも通訳さんが必要で、この世界には視覚で、触覚でコミュニケーションをとっている人もいるんだ、という少し思いを馳せれば当然のことを気づかせてもらった貴重な経験でした。

(ちょっと調べて学んだ追加情報です)
※手話も点字も、国によって言語によってそれぞれ違うこと
※通訳と翻訳は違う職業で、スキルがそれぞれ違うということ

私にとって印象的なお二人の紹介でしたが、通訳のお仕事には高いコミュニケーション力が必要だなー、といつも感心します。両者(個人や会社)のバックグラウンドや性格、性質、文化、その時の状況なども理解した上で、その場で瞬時に的確な表現を見つけて、分かりやすく伝える術は本当にすごい才能だなと思います。

両者の間に入って、コミュニケーションを円滑にしたり、思いを伝える、という役割で言うならば、デザイナーに通ずる部分があるのかな?なんて思い、少し親近感を覚えたりもする通訳というお仕事についてでした。

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youseeaandiseeb
Written by youseeaandiseeb
東京在住のグラフィック&デジタルデザイナー。 ものづくり、文化芸術、旅、そしてたまに宇宙についてのブログです。 私の視点を通して、この豊かな世界を紹介していきたいと思います。英語でも書いてます。