雨の映画
梅雨の時期、木々が雨に濡れて緑色が深まりその瑞々しさがとても綺麗に思います。外出時に雨だと憂鬱になる時もありますが、家の中で雨の音を聴きながらコーヒーでも飲んでいると、癒され心地よさを感じます。どんな時も、ものは捉えようですね。
さて、雨の日には雨を楽しもう!ということで、雨が印象の映画についてです。
ネットで調べてみたところ、以下が雨の映画としてよく知られているみたいです。
シェルブールの雨傘
言の葉の庭
雨に唄えば
きみに読む物語
オーストラリア
ティファニーで朝食を
ショーシャンクの空に
ピアノ・レッスン
おおかみこどもの雨と雪
マディソン郡の橋
雨あがる
セブン
アバウト・タイム~愛おしい時間について~
レ・ミゼラブル
魔女の宅急便
となりのトトロ
いま、会いにゆきます
ミッドナイト・イン・パリ
羅生門
七人の侍
十二人の怒れる男
とても印象的な雨のシーンがある映画ですよね。全体的に情緒的で、雨が隠喩として使われていたり、登場人物の気持ちを表現していたり、場面に重みを持たせたり、と雨の役割が大きいように思います。
どれも素敵な映画なのですが、今日は、最近見た雨のシーンが印象的だった映画をご紹介します。
2016年製作の中国映画『長江 愛の詩』です。悠久な長江を舞台にした、壮大で幻想的な叙事詩。あらすじは以下です。
これは誰の記憶なのか――河を遡り、時が巻き戻る。
現実と虚構、現在と過去が交錯する深遠なラブ・ストーリー
死去した父親の後を継ぎ、小さな貨物船の船長となったガオ・チュン(チン・ハオ)。ある日、ガオは機関室で長江図と題された一冊の詩集を見つけ、そこには彼の父親が20年前の1989年に創作したいくつもの詩が記されていた。上海から長江を遡る旅へ出発したガオは詩集に導かれるようにして、行く先々の街で出逢うアン・ルー(シン・ジーレイ)という名の女と再会を繰り返していく。不思議なことに彼女と再会する場所は、すべて「長江図」にその地名が綴られていた。しかし、三峡ダムを境に彼女が現われなくなったことにガオは気づくのだった…。ー 『長江 愛の詩』公式サイトよりガオが船で長江を遡る方向性は、同時に時間を遡る体験と重ね合わせられ、途中途中で再会するアンとの関係が神秘的で謎めいています。そしてこの美女は一体誰なんだろう…。この二人の関係性は?色々と疑問が残る映画なのですが、この映画はセリフがとても少なくて、ほぼ映像で表現されている静かで美しい映画です。悠久で壮大な長江の流れが、とても美しい映像で捉えられ、人が喋るセリフの代わりに何かを物語っているよう。長江という川(水)が舞台なので、主人公のガオとアンの艶っぽい美しさが際立っているようにも思えます。そして、川に雨が降る湿度100%のシーンも素晴らしいです。
見終わった後は、ゆったりとした深呼吸が出るような映画なのですが、撮影監督がウォン・カーウァイ監督の『花様年華』を撮ったリー・ピンビンさん。行定勲監督の『春の雪』(05)、是枝裕和監督の『空気人形』(09)、トラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』(10)も手がけている方と知って納得です。東アジアの、静かで深い美しさを見事に表現する撮影監督さんでした。他にも多くを手がけているようなので、観てみたいなと思います。
雨の日に、こんな静かな水の映画はいかがでしょうか?
『長江 愛の詩』
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