現在、21_21 DESIGN SIGHTで展示されている「Khadi インドの明日をつむぐ – Homage to Martand Singh –」に行ってきました。
Khadi(カディ)とは手紡ぎ手織りの綿布のこと。全ての工程が手作業で行われ、その起源はインダス文明にまで遡ると言われています。また、一枚一枚表情が違いぬくもりが感じられるとても素敵なテキスタイルです。
チャルカと呼ばれる糸車は各家庭に必ずあるんだそうです。そして、非暴力、不服従で有名なインドの政治指導者マハトマ・ガンジーの有名な写真に、糸車を引いているものがありますが、カディはインド独立のシンボルとなっているんだとか。
※イギリス製品の綿製品ではなく、伝統的なインドの綿製品を着用することを呼びかけ、独立をうながしたことによる
これがチャルカ(糸車)
糸車で糸を紡ぐガンジー
それから展示には、ガンジーの生まれ故郷にある大学で糸を紡いでいる学生の様子が映像で見ることができるのですが、その様子がとても美しいです。「一日の始まり」と題された映像には、広い講堂で学生たちがカディを着用して座っています。一日は瞑想から始まり、唄を歌い糸を紡いでいくのですが、その姿は神秘的で美しく祈りを捧げているように見えます。
この大学では、手紡ぎを国家再生運動に不可欠なものとするガンジーの思想が教育の基盤になっているとのこと。そして、授業の一貫で紡いだカディが卒業の時に手渡されるそうです。
歴史、文化的背景、教育、デザイン、アイデンティティ、美しさなどのストーリーがこのカディに込められていて、とても素敵な文化だと思いました。
カディの綿布
カディで作られた衣服
次回はカディの魅力を世界に発信した人についてです。
※説明は21_21 DESIGN SIGHTでの展示より引用したものがあります
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