世界遺産

6月30日のニュースで、『国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第42回世界遺産委員会は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本両県)の世界文化遺産への登録を決めた。江戸時代のキリスト教弾圧のなかで信仰を続けた希少な宗教文化が評価された』、との報道があったのですがとても驚きました。というのも、前日の29日のブログ『映画「沈黙 -サイレンス-」』を書いた直後だったからです!

潜伏キリシタン関連遺産は、17~19世紀の約250年に及ぶキリスト教禁教下、既存の宗教や社会と共生しながらひそかに信仰を続けた潜伏キリシタンの文化的伝統を示す資産群。当時の景観をとどめる長崎県本土、五島列島、天草諸島などの集落や、開国後に潜伏キリシタンがフランス人神父に信仰を告白した「大浦天主堂」(長崎市)など12の資産で構成されている。(読売オンラインより)

今日はこのニュースを受けて、日本の世界遺産についてです!

2018年7月2日現在の日本の世界遺産は以下。

<文化遺産>
– 法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)
– 姫路城(兵庫県)
– 古都京都の文化財(京都府、滋賀県)
– 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県)
– 原爆ドーム(広島県)
– 厳島神社(広島県)
– 古都奈良の文化財(奈良県)
– 日光の社寺(栃木県)
– 琉球王国のグスクおよび関連遺産群(沖縄県)
– 紀伊山地の霊場と参詣道(奈良県、和歌山県、三重県)
– 石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県)
– 平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手県)
– 富士山―信仰の対象と芸術の源泉(山梨県、静岡県)
– 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県)
– 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、岩手県、静岡県)
– ル・コルビュジエの建築作品-近代建築への顕著な貢献-(国立西洋美術館=東京都)
– 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県)
– 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県、熊本県)

<自然遺産>
– 屋久島(鹿児島県)
– 白神山地(青森県、秋田県)
– 知床(北海道)
– 小笠原諸島(東京都)

私は文化遺産は結構訪れたことがあるのですが、自然遺産はひとつもないです。どこも行きたいなー、と以前から思っている場所なので機会を見つけて計画を立てたいな、と思います。

そして世界遺産は、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の活動の一部です。ちなみにユネスコとは、加盟国195カ国(2014年4月現在)の、国際連合の経済社会理事会の下におかれた、教育、科学、文化の発展と推進を目的とした専門機関です。世界遺産の他にも、無形文化遺産の活動や、国際○○デー、を開催していたりもします。

以前から世界遺産には興味があって本を読んだりもしていたのですが、私が共感を覚えたのがユネスコ憲章の前文なのでご紹介します。

UNESCO憲章 前文

この憲章の当事国政府は、その国民に代って次のとおり宣言する。

戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。

相互の風習と生活を知らないことは、人類の歴史を通じて世界の諸人民の間に疑惑と不信をおこした共通の原因であり、この疑惑と不信のために、諸人民の不一致があまりにもしばしば戦争となった。 ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。

文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。

政府の政治的及び経済的取極のみに基く平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。

これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の充分で平等な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに探究され、且つ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を発展させ及び増加させること並びに相互に理解し及び相互の生活を一層真実に一層完全に知るためにこの伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。

その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、且つその憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。

とあり、文化好きとしては、世界の文化遺産(文化財、景観、自然など)を、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」として保存するというコンセプトがとても素敵だなと思っています。

そういえば、熱海の旧日向別邸を訪れた時のブログで紹介したガイドさんが、「この建物もいつか世界遺産に登録される日が来ればいいな。コルビジエの建築が世界遺産になったんだから、ドイツ人の建築家の建物も可能性はありますよね。地下室が登録されたらすごいよね、世界初だよ!」と目をキラキラさせて、おっしゃっていたことを思い出しました。本当にそうなる日が来るといいな、と私も思います。

ユネスコ公式ウェブサイト(英語)

日本ユネスコ国内委員会

長崎市公式ウェブサイト「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」

※今日のメイン画像はウィキペディアより

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Written by youseeaandiseeb
東京在住のグラフィック&デジタルデザイナー。 ものづくり、文化芸術、旅、そしてたまに宇宙についてのブログです。 私の視点を通して、この豊かな世界を紹介していきたいと思います。英語でも書いてます。