「ハワイイ島 – 言語 –」のブログで、ハワイ語で雨を現す言葉が130あると紹介しましたが、日本語はどうなんだろう?と思ったので、探してみるとありました。「雨のことば辞典」という本が。
この本は、雨にまつわる言葉のみの辞典でその数なんと約1200語。ハワイ語の130よりちょっと多いくらいかな?と思っていたのですが、いやいやとんでもない。10倍に届くかな、という多さでした。日本語おそるべし。
今は梅雨なので、例えば梅雨に関する言葉はざっとこんな感じです。
・梅雨
・梅雨葵
・梅雨上がり
・梅雨明け
・梅雨入り
・梅雨雷
・梅雨兆す
・梅雨曇り
・梅雨豪雨
・梅雨籠(つゆごもり)
・梅雨寒
・梅雨しとど
・梅雨湿り
・梅雨茸
・梅雨出水(つゆでみず)
・梅雨時
・梅雨長し
・梅雨の気配
・梅雨の蝶
・梅雨の走り
・梅雨花
・梅雨冷(つゆびえ)
・梅雨めく
・梅雨闇(つゆやみ)
・照り梅雨(てりつゆ)
・梅雨後期
・梅雨前期
・梅雨前線
・梅雨前線豪雨
・梅夏(ばいか)
・梅子雨(ばいしう)
・梅霖(ばいりん)
どこかで聞いたことがある言葉、初めて知る言葉など色々かと思いますが、全部で32個あります。「梅雨しとど」なんて響がとても素敵ですね。
梅雨とか雨をたくさん目にしていると、見すぎてその漢字が合っているのか何なのかよく分からなくなってくる現象(ゲシュタルト崩壊って言うんですって!)に襲われていますが、そもそもなぜ「梅雨」というのかをご紹介します。
梅雨
初夏と盛夏のあいだの六月上旬ごろから七月下旬ごろにかけて、日本列島および周辺に現れる雨季。または、その季節に降る雨。梅雨ということばは中国で古くから用いられており、その語源は、梅の実の熟する季節の雨、または黴(かび)のはえる季節の雨の意味の黴雨(ばいう)といわれている。梅雨ということばは日本には平安時代に伝わったが、そのころ日本では「五月雨(さみだれ、さつきあめ)」と呼ぶのが主流であった。室町時代の本に「梅の雨」という語が見え、江戸時代には「梅雨」が使われるようになった。一方、「つゆ」の語源には、「露」の連想だとか、黴のためものが「ツイユ(潰ゆ=そこなわれる)」などの諸説がある。「雨のことば辞典」より抜粋<_div>ほほう。言葉に歴史ありですね。それにしても、梅雨ひとつとってもこんなにたくさんの情報が含まれているなんて、日本語ってすごいなと思います。
パラパラと眺めているだけでも楽しく、ことばの響きが情緒的なものが多いので、梅雨の時に雨を楽しむ時間としていかがでしょうか。
※今日のメイン画像は、歌川広重「東海道五拾三次 庄野 白雨」です。METより(「白雨」は夕立。明るい空から降るにわか雨のこと)
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